●ジミー・ペイジが語る、ローリング・ストーンズとの共演秘話
発表当時、『山羊の頭のスープ』のツアーはヨーロッパのみに限定され、わずか7週間に渡って行われた。アルバム収録曲のうち4曲(「夢からさめて」「お前の愛を隠して」「ウィンター」「全てが音楽」)は一度も演奏されず、「100年前」と「シルヴァー・トレイン」はツアー開始からわずか1週間で外されている。ツアーが終了する頃には、『山羊の頭のスープ』の曲は「悲しみのアンジー」「スター・スター」 「ダンシング・ウィズ・ミスターD」「ドゥー・ドゥー・ドゥー…(ハートブレイカー)」だけになっていた。
さらに年月が経つにつれ、同作からのライブ・レパートリーは「悲しみのアンジー」「スター・スター」 「ドゥー・ドゥー・ドゥー」のみとなった。彼らがあまり知られていない曲を復活させることにしたのは2014年になってからのことだ。今回紹介するのは、2014年11月18日にオーストラリアのブリスベンにあるBrisbane Entertainment Centreで行われた「シルヴァー・トレイン」のライブ映像。ここにはオリジナル版で演奏しているミック・テイラーが参加している。曲の内容は聞いての通り、ある男性が娼婦と出会った時のことを歌っている。
【動画を見る】2014年に披露された「シルヴァー・トレイン」のライブ映像
あの夜以来、彼らはこの曲をやっていないが、2017年には 「ダンシング・ウィズ・ミスターD」を披露し、5回のライブで演奏した。ファンは今も「夢からさめて」「お前の愛を隠して」「ウィンター」「全てが音楽」が生で聴ける日を待っている。
2015年に『スティッキー・フィンガーズ』が再発された際には、ロサンゼルスのヘンリー・フォンダ・シアターで行われた特別公演でアルバムを全曲演奏し、同年後半のスタジアム・ツアーではあまり知られていない曲が多く披露された。もしストーンズが今年の夏に北米ツアーを予定通り開催することができていたら、似たようなことをしていたかもしれない。
しかし現状は、来年の夏に仕切り直しできるかどうかもわからない状態だ。ここ数週間アメリカで感染者数が急増していることから判断すると、開催できるとは到底言い切れないだろう。誰がミスターコロナと踊りながら(※)、満員のサッカースタジアムに訪れたいと思うだろうか?
※「ダンシング・ウィズ・ミスターD」と「Dancing With Mr. Covid」をかけている
From Rolling Stone US.