8月16日(土)・17日(日)に東京と大阪で開催されるサマーソニック2025。コロナ禍の2021年、SUPERSONICで初めてそのステージに立ち、今年ついに前人未到の5年連続出演を果たすBE:FIRST。
その軌跡を振り返る。

※この記事は2025年6月25日発売の『Rolling Stone JAPAN vol.31』に掲載されたものです。

2021

2025年で5年連続出演となるBE:FIRST。前人未踏の物語を紡ぐ7人とサマーソニック、その始まりは2021年のパンデミック下で行われたSUPERSONICのオープニングアクトだった。「才能を殺さないために。」をスローガンにSKY-HIが立ち上げたBMSGによるボーイズグループオーディション「THE FIRST」から生まれたBE:FIRST。2021年8月に結成メンバーとグループ名が発表され、その3日後にはプレデビュー曲「Shining One」をリリース。SUPERSONICへの出演はそこからわずか1カ月後。BE:FIRSTにとって初の有観客ライブとなった。

約半年間のオーディションで苦楽を共にした7人──SOTA、SHUNTO、MANATO、RYUHEI、JUNON、RYOKI、LEOは広大なZOZOマリンスタジアムのステージに初めて立ち、「THE FIRST」のテーマソングであるSKY-HIの「To The First」からライブを始め、オーディションの課題曲「Move On」「Be Free」のBE:FIRSTバージョンを披露。そして、プレデビュー曲「Shining One」で締めた。気合が漲りながらも、時折笑顔を交わし合い、初めてオーディエンスの前でライブをする喜びを溢れさせた彼ら。高いスキルと個性を持った7人が合わさることで生まれる唯一無二のパフォーマンスが、初めて直にオーディエンスに届けられた瞬間だった。


2022

パンデミックを経て3年ぶりの開催となった翌2022年のサマソニ。BE:FIRSTはオープニングアクトのOCTPATHのあと、MARINE STAGEの1番手として再びマリンスタジアムに立った。MANATOの驚異的なアカペラから始まる、BE:FIRSTの自己紹介ソングとも言える「BF is...」でオーディエンスの度肝を抜いたと思ったら、「Betrayal Game」では尋常じゃない色気を炸裂させ、さらにオーディエンスの心を揺さぶる。RYOKIとMANATOが流暢な英語でMCをしたり、「Brave Generation」のイントロでSHUNTOが1年ぶりにここに立ったことに触れ「どれだけ成長したか見せてやるよ!」と凄んだり、ジョナス・ブルーとの「Dont Wake Me Up」で多くのオーディエンスを躍らせたり、すでに様々なフェスやイベントに出演してきたBE:FIRSTはすっかりフェス強者となってサマソニに戻ってきた。自らの出番を終えたあと、PACIFIC STAGEでのZICOのステージにSKY-HI、Novel Core、Aile The Shotaと共に飛び入りし、楽しそうに賑やかなパフォーマンスを繰り広げていた光景も忘れられない。

BE:FIRSTとサマーソニックの5年史

2022年、東京会場(©︎SUMMER SONIC All Rights Reserved.)

BE:FIRSTとサマーソニックの5年史

2022年、大阪会場(©︎SUMMER SONIC All Rights Reserved.)

2023

2023年はMOUNTAIN STAGEの3番手。BE:FIRSTの前はSKY-HI、その前はオープニングアクトのMAZZELと、BMSGのアーティストが3連続で出演することもあり、ステージ周辺には早い時間からBMSGのグッズを身に付けたオーディエンスが多く詰めかけた。MAZZELが生まれたオーディション「MISSION×2」のテーマソング「MISSION」、「THE FIRST」のテーマソング「To The First」を続け、輝かしい才能にエールを送ったSKY-HIのステージのあと、この1年間でアルバム『BE:1』のリリース、初のワンマンツアー、NHK紅白歌合戦出場、初のアリーナ公演を経験し、押しも押されもせぬ日本を代表するダンス&ボーカルグループとなったBE:FIRSTが登場。まず「Boom Boom Back」を繰り出し、自らが愛する90年代ヒップホップのテイストが色濃い”今”のBE:FIRSTを象徴するような曲で、磨き上げられた歌/ラップ/ダンスを見せつけた。

BE:FIRSTとサマーソニックの5年史

2023年、東京会場(©︎SUMMER SONIC All Rights Reserved.)

これまでSOTA、SHUNTO、RYOKIによる破壊力抜群のラップ曲「Spin!」がフェスで披露されたことはあったが、MANATO、RYUHEI、JUNON、LEOによるマイクスタンドを使ってのしっとりとしたR&B「Softly」がフェスで初めて披露されたことも特筆すべき点だ。当時のインタビューでは、「Softly」が大好きなSHUNTOがプッシュしたことが語られていたが、翌日のサマソニ大阪会場での野外MOUNTAIN STAGEでは、「Move on」と「Softly」の代わりに、野外の開放感に映える「Shining One」と「Great Mistakes」を披露しており、日程が近くても会場のシチュエーションによってセットリストを変え、限られた時間の中で楽曲とパフォーマンスの魅力を最大限伝えようとする強い意志が感じられた。また、LEOがSUPERSONICから始まって毎年出演していることへの感謝を伝え、「一年の間にいろいろな経験をして『次のサマソニまでには!』という気持ちで成長してきました。
うまくいかない日もあるけれど、今日あなたに会えてよかった!」と言って、別れの歌でもあり始まりの歌でもある「Bye-Good-Bye」を披露したことも、BE:FIRSTとサマソニの深い関係値を物語っていた。

BE:FIRSTとサマーソニックの5年史

2023年、大阪会場(©︎SUMMER SONIC All Rights Reserved.)

2024

国内のボーイバンドとしては異例となる、MOUNTAIN STAGEのトリを務めたのが2024年のサマソニだ。シングル表題曲としては初めてメンバーが1から制作に携わり、各種音楽チャートで116冠を獲得。新たなトレンドを作り出そうという意志を宿し、世界へと大きく手を伸ばした「Mainstream」からスタートしたライブは、序盤からドームアーティストとしての風格を漂わせていた。「Masterplan」「Milli-Billi」「Brave Generation」「Scream」……どこを切っても凄まじいクオリティで、SUPERSONICから約3年間にわたるBE:FIRSTのたゆまぬ努力と経験値の深さが見て取れた。

たくさんの観客を嬉しそうに眺めながら、LEOはトリを任されたことへの感謝と、すべてのオーディエンスを肯定するような優しく力強いメッセージを口にした。メモラブルなライブを締め括ったのは、直後にリリースを控えた2ndアルバム『2:BE』のリード曲「Blissful」。この日が初披露だった。音楽の多幸感と一体感がみるみるうちに幕張メッセに広がっていき、ステージ上の7人の笑顔が多くのオーディエンスに伝播していった。数万人による〈Oh-o-o-oh oh〉のシンガロングはこのうえない楽しさに満ちていて、その根底にはBE:FIRSTの深い音楽愛があった。

BE:FIRSTとサマーソニックの5年史

2024年、大阪会場(©︎SUMMER SONIC All Rights Reserved.)

2025 

そして、今年は3年ぶりにMARINE STAGEに登場する。RYOKIが活動休止に入り、初のワールドツアーを7月5日に終えたあと、2025年のサマソニは6人体制でのライブとなる。
ワールドツアーでのBE:FIRSTは現地のオーディエンスに熱狂的に迎え入れられるなか、珠玉の歌とダンスとラップを聞かせ、音楽は国籍も性別も世代も超えるということを証明していた。必ずやタフになった姿を見せてくれるはずだ。

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BE:FIRSTとサマーソニックの5年史

SUMMER SONIC 2025
2025年8月16日(土)・17日(日)
東京会場:ZOZOマリンスタジアム & 幕張メッセ
大阪会場:万博記念公園
※BE:FISRTは8月16日(土)大阪会場、17日(日)東京会場に出演
https://www.summersonic.com/

BE:FIRSTとサマーソニックの5年史

SONICMANIA
2025年8月15日(金)
会場:幕張メッセ
開場/開演:開場19:00・開演 20:30
https://www.summersonic.com/sonicmania/
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