中国は世界最大の工作機械生産国だが、主にローエンドの工作機械を生産しており、ハイエンド工作機械の分野ではまだまだ日本には及ばない。中国メディアの測控網はこのほど、日本が製造強国となった理由について分析する記事を掲載した。
工作機械産業の発展と大きな関連があるとしている。

 記事は、日本について米国、ドイツに並ぶ製造強国だと紹介し、これは日本の工作機械の発展が関係していると指摘した。日本は1889年に国産初の旋盤を完成させてから工作機械分野での発展を続けており、戦後は米国の支持を受けつつドイツに学んで品質を向上させ、工作機械のNC(数値制御)化をきっかけに日本メーカーの技術が評価され大きなシェアを獲得するようになったと説明している。

 続けて記事は、マザーマシンとも呼ばれる工作機械の発展が、日本の製造業や工業分野の発展に大きな影響を与えたと強調。そのうえで日本企業の戦略やポジショニングの正確さ、品質と革新を重視する姿勢などを含め、製造業の発展を目指す中国は日本の発展から学べることがあると分析した。

 たとえば、教育を重視してチームワークの精神を育むことにより「人材」を十分に活用する姿勢や、研究開発に積極的に取り組み、技術を蓄積し、その蓄積を持ってさらに技術力を高めるという考え方も学ぶに値するとした。


 また記事は、現在の工作機械は機械そのものの「ハードウェア」と、機械を制御するための「ハードウェア」の両方が一流でなければ戦えない分野となっていると指摘し、一流となるために必要なのが「知識」であると主張。この点で日本人は苦学を厭わず、イノベーションに意欲的に取り組んでいると強調、だからこそ日本企業は競争の激しい工作機械の分野で成功し続けているのだと論じた。製造強国を目指している中国にとって日本の例は参考になっているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)