日本では、口に入るものはできるだけ国産を買うようにしている、という人は多いだろう。中国では逆に、国内で生産された農産物への信頼が低い傾向にある。
中国メディアの快資訊は17日、「日本人が中国で行った画期的な農業スタイル」を紹介する記事を掲載した。

 これは、2000年代に日本の大手企業数社が共同で行った試みで、中国の土地を購入してからまずは「5年間放置」したそうだ。その間は雑草が生い茂り、近隣住民はあざ笑っていたという。

 しかし記事は、日本人は5年後に戻ってきて土地を耕し、イチゴなどの農作物を作り、牛を放牧させたと伝えている。意外なことに、この土地は5年間休ませたことで土壌の質が回復し、ほとんど農薬を使わずに農作物を作ることができたそうだ。結局、大都市に出荷して高値で売ることができたという。

 この試みは、中国でも有機栽培が可能だという証明になったようだ。記事は、それまでばかにして笑っていた人たちも、結果を見て「ようやく有機栽培というものの価値を理解した」と伝えている。中国の土地が痩せているというのは中国人自身の思い込みで、化学肥料が土地を痩せさせたなら、「土地を休ませれば」この流れを断ち切ることは可能だろう。

 とはいえ、現実には「5年も土地を休ませる」というのは難しそうだ。記事はそれ以前に、化学肥料と農薬がなければ栽培できない、と思い込んでいる中国の農家の「考え方」を変えなければならないが、それにはかなりの時間がかかると認めている。日本企業が中国で「画期的な農業スタイル」を見せてくれたといっても、考え方を変えるのは一朝一夕にはいかないようだ。
(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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