中国メディア・前瞻網は27日、機械翻訳の第一人者として国際的に知られる長尾真・京都大学名誉教授が死去したことを報じ、その功績を紹介する記事を掲載した。

 記事は、機械翻訳が現代の情報化時代における言葉の壁を克服する上で不可欠な手段であり、日本を始めとする世界各国が早い時期から機械翻訳の開発に取り組んできたと紹介。
これまで機械翻訳の発展に大きく貢献してきた、機械翻訳研究の第一人者である長尾氏が23日に84歳で死去したと伝えた。

 そして、長尾氏について、世界で初めて実用的な機械翻訳システムを開発した人物であるとともに、世界で初めて顔認証の研究に取り組んだ学者でもあったと説明。その研究範囲は非常に広く、機械翻訳のほか、言語処理、パターン認識、画像処理、図書館学などの分野で卓越した成果を残したとしている。
 
 その上で、長尾氏が1980年代の早い時期からすでに実例に基づく機械翻訳システムの構想を打ち出し、研究に取り組んできたとしたほか、90年代初めには日本語形態素解析システムJUMANを開発し、日本語の機械翻訳の精度を大幅な向上につながったことを伝えた。

 さらに、91年には国際機械翻訳協会(IAMT)の設立に関わり、94年には言語処理協会を創設して初代会長に就任したと紹介。国内外の機関から様々な賞や称号を授与されたとした。
(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)