中国には「痩せて死んだラクダでも馬より大きい」という言い回しがある。これは日本で言うところの「腐っても鯛」と同じような意味合いを持つ言葉だ。
中国メディアの百家号は9日、「中国の製造業は日本を超えたのか」と問いかける記事を掲載した。現状はまだ日本を超えたわけではないと過信を戒めている。

 中国人が自国の製造業を過信するのは、何もおかしなことではない。中国人に日本の家電が人気だったのは過去の話で、今では中国の家電市場も、ほとんどが中国メーカーの独壇場となっている。記事は、日本の製造業は発展が停滞しているように「見える」ものの、「今も依然としてかなりの実力がある」と思い違いを戒めている。

 さらに記事は例として3つの分野を指摘している。まずは「ハイエンド工業用ロボット」で、日本はこの熟練した技術を要する分野の世界市場を「独占している」と伝えた。しかも、日本は工業用ロボットを生産するための部品も独占しているため、日本企業なくしては生産することができないとしている。

 また、「半導体製造装置」でも、世界の大手10社のうち5社は日本企業で、米国に並ぶほどの実力者だと紹介した。半導体材料の実力も同様だ。さらに、日本には「光学レンズ」を扱う一流企業がひしめいており、中国の大手スマホメーカーも提供を受けているとした。

 中国の製造業は規模こそ大きいが、質や技術力という点ではとてもじゃないが「日本を追い越した」とは言えないだろう。
しかし記事は、中国は政府が国をあげて製造強国を目指しており、中国ならではの強みを生かせば先進国を超えるのも夢ではない、と締めくくっており、将来については楽観的な見方をしているようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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