中国の長江中流域に建設された三峡ダムは、世界最大級の水力発電ダムであるとともに、建設当時からその安全性が不安視されたダムとしても有名だ。これまで「亀裂が入っている」、「衛星写真で見ると歪みが生じている」などの情報が流れ、そのたびに当局が火消しに追われてきた印象だ。
三峡ダムを巡る意見は様々だが、このダムの「寿命」はいったいどれくらいなのだろう。中国のQ&Aサイト悟空問答にこのほど、「三峡ダムの寿命」について、意見を求めるスレッドが立てられた。
よく知られているのは、ある米国の専門家の指摘した「50年」説と、三峡ダム建設チームの技術者の発言した「500年」説だ。スレッドに寄せられた意見を見ると、多くの中国人ユーザーが「どちらも極端な数字だ」と考えているようだ。
ある中国人ユーザーは「米国には完成してから80年になるダムもあるので、50年というのはさすがに短く見積もりすぎだ」と主張する一方、だからといって「さすがに500年というのは、全人類が信じない」と指摘。このユーザーは「150年はもつのではないか」と主張した。
しかし逆に、「50年も500年もあり得る」という声もあった。「家と同じで、大切に補修すれば500年持つが、手入れしなければ50年しか持たない可能性は十分にある」と主張した。さらには三峡ダムの関係者による発言のためか、「500年」説を支持する中国人ユーザーも少なくなかった。「万里の長城は2000年経っているから」という理由も散見されたが、ダムと城壁の寿命を単純に比較できるかは疑問だ。また、「自分が死ぬまでは大丈夫だろう」と主張する声も多かった。
スレッドには多くの意見が寄せられたが、答えはほとんど50年、150年、500年といった数パターンにとどまり、理由も似たり寄ったりだった。