上海リニアと呼ばれる上海トランスラピッドは、ドイツの技術を導入して建設し、2004年に営業を開始して、最高時速430キロと世界一の営業速度で走行していたが、収益性はあまり良くなかったようだ。最近ではコロナ禍もあって需要が減少し、時速300キロに速度を落として走行している。
中国の動画サイト西瓜視頻はこのほど、中国が上海リニアを導入した理由について解説する動画を配信した。赤字路線ではあるが「決してドイツに騙されたわけではない」と弁明している。
動画では、トランスラピッド方式による磁気浮上リニアモーターカーはドイツの技術だが、ドイツでは営業運転をしていないと指摘した。この理由について、ドイツにはリニアを営業運転するだけの需要がなく、通常の高速鉄道がすでに多く運行していたため、新たにリニアを建設する必要性がなかったからだと説明している。
そこへ、リニアモーターカーを導入したい中国と、ぜひとも試験的に営業してみたいドイツとの思惑が一致し、ドイツからすれば中国へ輸出することで儲けも出ることから、ドイツは中国でリニア路線を建設することにしたと主張した。
しかし、導入した中国は赤字が続くという現実に直面している。中国にはマクロ的な視点や大局を見極める能力がなかったのだろうか。動画では、リニアの導入は科学に基づいており、科学とは実践することで真実を得る学問なので、「まずは実践する必要がある」と指摘した。
そして、リニアの技術は良いものであり、ノイズが大きいなどの問題もあるとはいえ改良を加えてより良いものへと進化していくもので、「今は赤字でもずっと赤字とは限らない」と、将来的には黒字となる可能性を伝えている。しかし、通常の高速鉄道も赤字路線が多い現状の中国で、黒字を確保するのは難しいのではないだろうか。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)