日本はこれまで、何度も中国と高速鉄道の受注競争を繰り広げてきた。インドネシアの高速鉄道計画は、日本受注が確実視されるなか不可解な経緯で中国が受注し、後味の悪い結果となった。
これは、ジャカルタとバンドン間およそ150キロを結ぶ高速鉄道計画で、現在は3時間かかるところ、高速鉄道が開通すれば40分で移動できるようになるという。中国としては、「一帯一路」の重要プロジェクトとして、どうしても受注したかったようだ。また、インドネシアの高速鉄道プロジェクトはシステムから車両に至るまで、すべてが中国規格での輸出となるため、将来に向けた成功事例を作るためにも重要な存在だと言われる。
そのため中国は、インドネシア側に有利な破格の条件を提示し、日本から受注を奪うことに成功したと記事は伝えた。日本としては、インドネシアの受注を逃したたことで、その後中国との激しい受注競争を繰り広げることとなり、インドの高速鉄道計画では中国に勝つために赤字覚悟の条件を出してようやく獲得できたとしている。
記事によると、インドネシア高速鉄道の建設計画は順調で、「驚くべきスピード」で建設が進んだという。実際には工期がかなり延長し、新型コロナの問題もあっていまだに完成していないが、それでもインドネシアの工事の進ちょく状況を見て、中国に発注しなかったベトナムは後悔して「腸が青くなっている」と主張した。これは非常に後悔していることを指す、中国語の言い回しだ。「ベトナムの高速鉄道計画は1ミリも進んでいない」からで、ベトナムやインドは中国への発注を選べばよかったと思っているはずだと強気の主張で締めくくっている。
とはいえ、ベトナムの高速鉄道計画が遅々として進まないのは、ベトナム自身の問題なので、中国に発注しなかったことを後悔しているのかについては疑問が残る。いずれにしても、日本と激しい競争を繰り広げている中国は、それだけ一帯一路に本気なのだろう。