国内総生産(GDP)で世界第2位の中国。今なお経済成長は続いており、経済的に豊かになった人は多い。
だが、すべての人が豊かになれたわけではなく、成長から取り残されてしまった人も少なからず存在するという。

 中国の動画サイト・西瓜視頻はこのほど、中国では失業者の数は決して少なくないと指摘し、「1日50元」の日雇いの仕事に人が殺到していると紹介する動画を配信した。

 動画の配信者は、ある工業博覧会で「サクラ」の仕事に従事した中国人であり、「1日50元」の日雇いの仕事とは博覧会を賑やかにするための「サクラ」の仕事だという。

 動画では200人以上もの中国人が4台のバスに乗り込み、2時間半もかけて移動し、ある工業博覧会の会場に到着した様子を紹介している。集まった中国人の多くが20代から40代くらいの男性だ。そして、このサクラの仕事はその日限りの単発のアルバイトで、計8時間にわたるアルバイトの日給はわずか「50元(約850円)」だったという。


 配信者は、一般の見学客になりすまし、様々な工業用ロボットの展示ブースを見学している様子を動画を通して紹介。こうしたサクラの仕事は、時間がとても長いと感じるだけでなく、「非常に疲れる」と感想をもらしているが、とても疲れるうえに日給わずか50元というアルバイトを、なぜこれほど多くの中国人男性が選んだのだろうか。

 配信者はこの問いに対して、「失業者がどんどん増えていて、仕事がないからだ」と理由を説明している。中国では近年、IT分野などを中心に給与水準が上昇しており、人工知能などのソフトウェアエンジニアの年収が日本円に換算して1000万円を超えるようなケースも見られるようになってきたが、そうした給与上昇の背後では、仕事にありつけずに1日850円で働かざるを得ない人も大勢いるのが現実だと紹介している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)