日本が戦時中に掲げた大東亜共栄圏構想は、壮大な計画だったと言えるだろう。今の中国人は、当時の大東亜共栄圏構想をどうとらえているのだろうか。
中国のQ&Aサイト・知乎にこのほど、「大東亜共栄圏構想をどう評価するか」と質問するスレッドが立ち、中国人ネットユーザーが意見を交わした。

 大東亜共栄圏は、欧米列強から植民地支配されていたアジア諸国を解放し、日本を中心とした独自の経済圏を作るという構想だったと言われる。しかし、中国では日本のアジア侵略を正当化するのが目的の構想だったと理解されているようで、「現地住民の福祉を口実に、戦争を美化しようとした」といった意見がほとんどを占めた。

 この大東亜共栄圏構想により、「日本の役割が変わった」との指摘も多かった。「アジアをリードする立場から侵略国」へと日本が変わってしまったとする意見も見られた。

 また、欧米から解放しようとしたというが、欧米が支配していたころの方がまだましだったという人もいた。ベトナムなどで多数の人命が失われたことを引き合いに出し、欧米が支配していたころは現地住民が確かに苦しんだが、「命までは取らなかった」と指摘した。また、フィリピンでは「アジア人は勤勉で素朴であるべき」との理想を押し付けて、無理やり働かせたとの意見もあった。

 いずれの回答も批判的なもので、中国では悪名高い計画として理解されているようだが、中国が今まさに進めている一帯一路が「自国を中心とした独自の経済圏を作る」という点で大東亜共栄圏構想に似ていると考える人はいないようだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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