都市開発が急速に進んだ中国では、立ち退きの補償金で大きなお金を手にして成金となった人が少なからず存在し、そうした成金の子女は「拆二代」と呼ばれている。「拆」とは中国語で「取り壊す」といった意味合いを持つ言葉だ。


 また、中国では農村部は「貧しい」という認識が一般的で、農業だけで豊かな生活を送るのは難しいと考えられているが、中国メディアの百家号はこのほど、日本の農家は都市部で暮らしている「拆二代」のような人びとよりも豊かな暮らしができると紹介する記事を掲載した。その理由について考察している。

 記事はまず、日本について四方を海で囲まれているので水産資源が豊富で、日本の発展は水産資源頼みによるところが大きいが、主食が米なので農業も発展していると紹介した。そして、中国であれば、農家が都市部の「拆二代」より金持ちであることはあり得ないが、日本では都市部で暮らす人より豊かな生活をしている農家は少なくないとした。

 この理由ついて記事は、日本の農村部は人口が少なくて土地が広いので、集約農業を発展させる環境が整っていることを挙げた。また、日本は国策として農業を保護してきたことも大きな理由だと分析した。
農家の収入を上げるために補助金を投入したので、農業人口の減少をある程度食い止めることができたと評価している。

 このほか、日本の農産物は高額で海外へ輸出されることも農家の収入増に貢献していると指摘した。これは品種改良などによってより質の高い農産物を生産できていることと大きな関係があると言えるだろう。

 記事は、日本は農村部でもある程度発展していて、働き口もあり、交通も便利なので「小都市」と呼べるほどであり、大都市と比べても引けを取らないほど豊かだと伝えているが、これは中国の多くの農村部とは大きな違いだと言える。最近では中国でも沿岸部の農村は豊かになりつつあると言われるが、内陸部には貧困農村部がまだ多く、こうした格差を解消するうえで日本の例が参考になることを強調した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)