中国には、一見すると日本ブランドのように見えて実は中国ブランドだったという商品が少なくない。日用雑貨や飲料などにその代表的なブランドが存在するが、他にも偽の日系ブランドは存在する。
中国メディアの騰訊は3日、化粧品分野における偽の日系ブランドについて紹介する記事を掲載した。

 記事によれば、中国には化粧品の分野でも日系ブランドであるかのように見せかけて事業を展開するブランドが存在する。漢字のブランド名を持っているほか、アルファベット表記では明らかに日本語読みの綴りになっていて、確かに日本のブランドに見える。だが、広東省に本社を置く、れっきとした中国メーカーだという。

 記事は、この企業はこれまでずっと「日本ブランドであるかのような宣伝を行ってきた」と指摘。会社名のみならず、社長自ら日本語名を名乗り、まるで日本メーカーであるかのように中国の消費者を誤認させてきたと批判している。

 この企業は後に、実は中国メーカーであることが広く知られることになるが、それでも日本ブランドを装い続けたという。ところが、2012年に尖閣諸島(中国名:釣魚島)をめぐる問題が発生すると、「実は正真正銘の中国ブランドだ」と宣言する豹変ぶりを見せたと指摘した。

 その後、日中関係が改善するとわざわざ日本に会社を設立することまでしたという。後付けではあるものの、れっきとした日本企業になろうとしたのだろう。そして今も相変わらず日本を全面的に出して宣伝をしており、「日本の研究開発チームが開発した」とする化粧品をリリースするなどしているそうだ。

 中国で多々見られる「日本製品や日本ブランドを装う」行為は日本のすべての企業が努力して構築してきた日本製品に対する信頼性の高さに「ただ乗り」する悪質な行為と言える。
何か不祥事が起きれば、せっかく構築してきた日本製品に対する信頼に傷がついてしまうだろう。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)
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