新型コロナの感染拡大により、気軽に海外旅行ができる時代ではなくなってしまった。コロナ禍前は訪日中国人が右肩上がりで増加していたように、中国では日本旅行が大きな人気を集めていた。
中国メディアの網易は11日、「いつか日本の47都道府県すべてを訪れたいと思っていた」という中国人の手記として、日本に行きたくても行けない今、日本を楽しむために「上海に行き先を変えた」と伝える記事を掲載した。上海には「擬似日本」を楽しめる場所がたくさんあるためだという。
記事の中国人筆者は「47都道府県すべてを訪れたいという願望は、衰えるどころか、むしろ加速している」と主張する一方、コロナ禍である以上は日本を旅行で訪れるのは現実的に難しいことを強調。そして、中国国内でも上海ならば「擬似的に日本を楽しむことができる」と思いつき、上海を旅行で訪れたことを紹介した。
続けて、遼寧省大連市や広東省広州市などにも日本企業が数多く進出していて、日本文化をある程度は満喫できるとしながらも、日本文化の進出度合いで上海に勝る都市は中国国内にはないとし、「食事から買い物、遊びに至るまで、上海なら日本を心ゆくまで堪能することができる」と強調。確かに上海は中国で最も日本人が多く暮らす都市であるため、日本に関する事物は数多くあることだろう。
そして、日本の喫茶店や居酒屋、レストラン、中古ブランド品店、日用雑貨店、スーパーのほか、スーパー銭湯なども上海に数多く進出していることを紹介。中国人筆者もこのような場所を訪れたのだろう、本物の日本ではないものの、「それでも擬似的に日本を楽しむことができる場所が上海にはたくさんある」と伝え、「日本に行きたくても行けない今、上海で自分を慰めることができた」と振り返った。
大連市にオープンした日本タウンが「文化的侵略」だとして批判の対象となったことは大きな注目を集めたが、この記事の筆者のように日本文化を楽しみたいと願っている中国人も存在するのだ。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)