中国では最近、日本に絡んだネット炎上事件が頻発している。靖国神社で記念撮影した中国人俳優が激しいバッシングを受け、事実上の芸能界追放となったことは記憶に新しく、日本関連のことは何でも問題視されているかのようだ。
中国メディアの百家号はこのほど、日本は「100年前にも中国に学校を建設していた」とし、日本人学校に警戒しなければならないと主張する記事を掲載した。
記事の中国人筆者が言う「100年前に存在していた日本の学校」とは、1901年に上海で設立された「東亜同文書院」のことだ。特に、「東亜同文書院」の学生が卒業前に中国各地へ散らばって旅行に行き、地理や文化、天気など様々なことを調査して学校に報告していたことを問題視し、「これは典型的なスパイ養成学校だった」と主張した。
実際のところ、「東亜同文書院」は日中友好協力の基礎を固めるための人材育成が目的で設立されたが、上記のような旅行と調査報告を行っていたことを「スパイ行為」と疑う中国人はいまだに少なくないようだ。
「東亜同文書院」は、終戦のため廃止されたが、記事の中国人筆者は東亜同文書院に絡めて上海にある日本人学校を問題視した。上海日本人学校では基本的に日本人だけしか受け入れていないと指摘し、「日本はここでスパイを養成しているに違いない」と根拠のない主張を展開している。
さらに、中国の土地に建てた学校に中国人が入れないのは「中国人に対する侮辱」であり、完全封鎖された学校内で何を教えているかも分からないというのは、「非常に恐るべきこと」だと読者の不安を煽った。そして、「中国に建てた学校なのに中国教育部の管理を受けないのはなぜか?中国の法律に従わなくて良いのか?」と疑問を呈し、「中国に建てた学校では中国政府の管理を受けるべきで、校内では中国国旗を掲揚し中国国歌を歌うべきだ。それが受け入れられないなら中国から出ていくべき」と独自の主張をしている。
最近の中国では日本に絡むことに対する風当たりが強くなってきており、ネット上の意見を見ていても反日感情が徐々に高まっていることが感じられる。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)