米中対立や新型コロナのパンデミックを背景に、世界情勢は大きく変化しつつある。中国メディアの百家号は28日、「日本とインドが欧米諸国と一緒になって中国に強硬な姿勢を示し始めている」と主張し、中国はどうすべきかと問いかける記事を掲載した。
記事はまず米国を批判し、弟分を使って中国に圧力をかけていると主張した。それによると、日本は中国に対抗する立場を明確に示しており、岸田文雄首相が東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会合において、香港、新疆ウイグル自治区における人権問題や、東シナ海および南シナ海での中国の動きをけん制する発言をしたのはその表れだ、と不満げに伝えている。ほかにも、海上自衛隊の護衛艦「いずも」の空母化計画にも触れ、「日本の後ろにいる黒幕への警戒を怠るわけにはいかない」と主張した。
では、インドはどうだろうか。記事は、インドが27日にミサイル「アグニ5」の発射実験を行ったのは明らかに中国を意識していると指摘した。このミサイルは、核弾頭が搭載可能で射程距離は5000キロだと報じられている。インドは近年、中国に対する警戒を強めており、米国、日本、オーストラリアとの安全保障協力の枠組み・クアッドをはじめ、各国と連携を進めている。
記事は、日本やインド、西洋諸国が「結束して中国に強硬な姿勢を示し始めている」としながらも、中国も無策ではないと主張している。少なくともできることが2つあり、それは「内紛を避け、結束すること」と「人民解放軍が敵を恐れさせるほどの実力を持つこと」であると強調した。
記事は強気の発言をしているが、それだけ中国が国際社会から孤立しつつあることを痛感し、危機感を募らせているのかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)