中国の通信事業大手チャイナ・モバイル(中国移動通信)の子会社であるチャイナ・モバイル・インターナショナル(CMI)が10日、香港で新たなデータセンター建設に着工したことを発表した。

 CMIはチャイナ・モバイルの100%子会社で、国際通信市場の需要拡大に対応し、世界に向けたサービス提供を行うために2010年12月に設立された。
本社は香港にあり、現在世界で70カ所以上に陸上、海底ケーブル資源を所有し、37カ国・地域で事業を展開している。

 今回着工が発表されたのは、香港の火炭サービスセンター。総床面積10万3660平方メートル、9000以上のサーバーキャビネットを設置する予定で、2025年の稼働を見込んでいる。同社は現在香港・将軍澳のネットワークセンターのほか、シンガポール、ロンドン、フランクフルトに自社のデータセンターを保有しており、火炭データセンターは世界で5カ所め、香港で2カ所めの自社データセンターとなる。

 CMIは火炭データセンター建設の背景について、デジタル経済が発展する中で5G通信やクラウドコンピューティング、人工知能(AI)、産業インターネットといった新たなテクノロジーが生まれ、データセンターサービスの需要がますます高まっていると説明。火炭データセンターを新設することで香港のデジタル経済発展をさらに支援するとともに、中国政府が「一帯一路」の重要な土台として開発を進める広東・香港・マカオグレーターベイエリア(粤港澳大湾区、GBA)のデジタル化に向けた強固な基盤を提供するとしている。

 また、GBAでのデータセンターサービス、ネットワーク提供強化を足がかりとして、将来的には全世界の通信事業者や一般ユーザーに対し、5G通信やビッグデータなど新たなデジタルサービスを活用するための広帯域によるグローバルアクセスを提供することを目指す。(編集担当:今関忠馬)(写真は、CMIの火炭サービスセンター着工式の様子。提供:CMI)
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