中国の産業用ロボット市場は世界最大だ。近年は中国企業の技術力の向上により、中国メーカーも産業ロボット市場でシェアを拡大しつつある。
しかし、中国メディアの網易は8日、中国メーカーの産業用ロボットの基幹部品は「日本に依存している」と問題提起する記事を掲載した。

 記事はまず、中国メーカーは産業用ロボットの生産において「基幹部品」の技術を掌握できておらず、日本から調達しているのが現状だと指摘。せっかく市場でシェアを拡大していても、日本企業から重要な部品を調達しているということは「せっかく稼いだお金の多くが日本企業の手に渡っていることを意味する」と論じた。

 そして、中国が突破しなければならないロボットの基幹部品とは、減速機、サーボモータ、コントローラの3つで、この3大基幹部品が生産コストの7割を占めていると強調。特に減速機は世界の4大メーカーががっちりと市場を掌握しており、そのうち2社は日本メーカーなので、ロボットの製造はかなりの部分を日本に依存していることになると説明している。

 中国も日本依存から脱却するため、国産化に尽力してきたものの、突破しなければならない壁はぶ厚いようだ。
記事は減速機の国産化について、中国国内で作れるようにはなったが、性能は日本製とかなりの差があるため、競争できるような製品を作るにはまだ時間がかかると伝えている。

 産業用ロボットは、中国製造2025で重要分野に指定するほど、中国政府も力を入れている。日本とはいまだに大きな差があるようだが、この差は着実に縮まっているようであり、日本もうかうかしてはいられないかもしれない。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:123RF)