深セン証券取引所のメインボードに上場している、広州天賜高新材料(002709/深セン)が6月1日、年産20万トンのリチウムイオン電池電解液生産ラインと10万トンのリチウムイオン電池リサイクル設備建設プロジェクトを発表した。
 
 同社は2000年設立で、14年1月に深センメインボードに上場した。
ファインケミカル新材料の研究開発、生産、販売を主業務としており、主な製品はリチウムイオン電池用電解液、正極材料のリン酸鉄リチウムをはじめとするリチウムイオン電池材料、表面活性剤、シリコングリス、水溶性ポリマーなどの日用化学品材料、特殊化学品などである。
 
 2021年12月期の売上高は110億9080万元(前期比169.26%増)、純利益は22億833万元(同314.42%増)。22年1~3月期の売上高は51億4906万元(前年同期比229.71%増)、純利益は14億9792万元(同422.19%増)。
 
 公告によれば、同社は広東省江門市に完全子会社の江門天賜高新材料股フェン有限公司を設立し、この子会社が年産20万トンのリチウムイオン電池電解液生産ライン建設プロジェクト、および10万トンのリチウムイオンリサイクル設備建設プロジェクトを行う。投資総額は約12億元で、建設期間は12か月を予定している。また、電解液以外にも年産5万トンの鉄・リチウム混合パウダー、年産8000トンの銅粒、年産4000トンのアルミニウム粒も生産する見込みだ。

 また、プロジェクトが完了して予定の生産能力に達した場合、年平均57億8799万元の売上高、年平均3億1645万元の純利益が出るものと予測している。

 プロジェクトについて同社は、リチウムイオン電池用電解液およびリン酸鉄リチウムのリサイクル産業チェーン戦略をさらに強化し、今後生じ売る地域的な生産能力、供給能力不足問題を確かに解決することに繋がるとした。また、同社の華南地域における業務発展、市場開拓をアシストし、重要顧客に近い場所に供給拠点ができることで、顧客の要望に対するレスポンス速度の向上、一層良質なサービスの提供を実現するとしたほか、輸送コスト低減、納期短縮、品質保障といった強みを伸ばして市場競争力を高め、会社の長期的に安定した発展を実現すると説明している。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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