中国の半導体ディスプレイメーカーで深セン証券取引所のメインボードに上場しているTCL科技集団(000100/深セン)が7月14日、2022年1~6月期の業績予測を発表し、大幅な減益となる見込みを示した。
 
 同社は1982年設立の民営企業で、2004年1月にTCL集団として深センメインボードに上場。
20年2月に現社名に変更した。半導体ディスプレイ事業、新エネルギーの太陽光発電事業、半導体材料事業を主業務としている。2021年12月期の売上高は1635億4000万元(前期比113.28%増)、純利益は100億6000万元(同129.20%増)。22年1~3月期の売上高は405億6685万元(前年同期比25.81%増)、純利益は13億5253万元(同43.89%減)。
 
 業績予測によれば、2022年1~6月期の売上高は840~855億元(前年同期比13~15%増)、純利益は6億5000万~7億5000万元(同89~90%減)。小規模な増収となった一方で純利益は10分の1程度にまで減少した。また、非経常損益を差し引いた損益は5億6000万~6億6000万元の赤字となっている。

 大幅な減益となった要因として同社は、国際情勢の悪化や新型コロナの影響により世界経済の回復が遅れて消費者向け端末の需要が疲弊しており、主要な半導体製品の価格が昨年の同じ時期に比べて大幅に低下したことを挙げている。一方で、中国政府の脱カーボン戦略目標や半導体産業の構造転換によって太陽光発電事業と半導体材料事業は大きく成長しており、売上や利益全体に占める割合が引き続き上昇しているとした。同社によれば、太陽光発電シリコンウエハーの生産能力は2022年6月末現在で109ギガワットにまで向上し、太陽光発電用G12シリコンウエハーで世界市場シェア1位となっている。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)
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