アリババグループ(09988/香港)が2月23日、2022年10~12月期(第3四半期)の決算を発表した。前年同期比で売上高が微増するとともに、純利益が大きく増加した。


 22年10~12月期の売上高は2477億5600万人民元で、前年同時期の2425億8000万元から2.13%の増収となった。事業別の売上は中国国内コマースが1699億8600万元(前年同期比1%減)、国際コマースが194億6500万元(同18%増)、生活サービス事業が131億6400万元(同6%増)、菜鳥が165億5300万元(同27%増)、クラウドが201億7900万元(同3%増)、デジタルメディア・エンターテインメントが75億8600万元(同6%増)となっている。
 
 中国国内コマース事業は、中国国内の消費ニーズの減少に加え、特に昨年12月に中国本土で新型コロナウイルスの感染者が急増してサプライチェーンと物流が混乱した影響を受けた。GMV(流通取引総額)ではアパレル分野の需要低迷が目立った一方で、健康食品やペットケア製品、生鮮食品が好調だった。国際コマース事業ではトルコのECプラットフォームTRENDYOLでの注文が増加して事業全体の売上増に貢献した。
 
 また、生活サービス事業では、フードデリバリーアプリ「餓了麼(ウーラマ)」で昨年12月の新型コロナ関連規制撤廃後に雑貨品、医薬品の需要が増加、単価の高い非飲食品の注文が大きく伸びた。
また、注文あたりの配送コストが低下したことで収益性がさらに高まった。
 
 一方、22年10~12月期の親会社株主に帰属する純利益は468億1500万元で、前年同時期の276億9200万元から69.06%増加した。これは主にデジタルメディア・エンターテインメント事業に関連するのれん減損額が約224億元減少したことによるもの。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)