深セン証券取引所では5月12日、創業板で山東亜華電子(301337/深セン)と浙江英特科技(301399/深セン)の2社が新規公開(IPO)に向けた公募を開始する。公募終了後、速やかに上場する見込みだ。

 
 山東亜華電子は2605万株を発行予定で、公募価格は32.6元。1998年設立の民営企業で、2016年に株式会社化した。医療機関向けスマート通信インタラクションシステムの研究開発、生産、販売を主業務とする。医療機関向けスマート通信インタラクションシステムは、音声・動画通信、電力線搬送通信(PLC)、IoT、5Gなどの情報技術を通じて、医師、看護師、患者間のコミュニケーション向上を図るもので、同社はソフト・ハードを一体化した総合ソリューションプランを提供する。目論見書発行時点で、北京協和医院、中国人民解放軍総医院、四川大学華西医院、山東大学斉魯医院など著名病院を始めとする9500カ所の病院、累計約460万床にサービスを提供しており、市場シェアは業界上位に位置する。
 
 22年12月期の売上高は3億5264万元(前期比22.65%増)、純利益は7905万元(同8.70%増)。
23年1~3月期の業績予測は、売上高が5100万~5600万元(前年同期比1.67~11.64%増)、純利益は410万~460万元(同32.73~48.92%増)。
 
 浙江英特科技は2200万株を発行予定で、公募価格は43.99元。04年設立の民営企業で、20年に株式会社化した。高効率熱交換器の研究開発、製造、販売を主業務としている。シェルアンドチューブ熱交換器、流下液膜式熱交換器、分配器などの製品を手掛け、ヒートポンプやエアコンの重要部品として暖房、温水、冷蔵、工業、農業などの分野で利用されている。主な顧客はハイアール、美的、格力、ダイキン、日立、三菱重工など。

 
 16~18年における中国の冷蔵・空調用同軸シェルアンドチューブ式熱交換器市場シェアは業界3位。18~22年の5年連続で中国省エネ協会から中国ヒートポンプ業界優秀部品サプライヤーに選ばれるなど、業界内で高いブランド力と影響力を持つ。冷蔵・空調用同軸シェルアンドチューブ式熱交換器の国家規格の制定を主導したほか、複数の関連国家規格、業界規格の制定に参加してきた。
 
 22年12月期の売上高は5億6663万元(前期比15.43%増)、純利益は1億509万元(同22.18%増)。23年1~3月期の業績予測は、売上高が9200万~1億元(前年同期比1.90~10.76%増)、純利益が1380万~1650万元(同2.38%減~16.72%増)。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)