米金利高が嫌気される流れ。インフレ高止まりの警戒感が続く中、昨夜の米債券市場では米10年債利回りが連日で上昇した。原油相場の9日続伸(一時、昨年11月中旬以来の高値)や、米景況感が予想外に改善したことがインフレ圧力を強めると不安視されている。外国為替市場では、対米ドルの人民元が下落基調で推移している。中国本土からの資金流出が懸念される状況だ。取引時間中に報告された8月の中国貿易統計では、前月に続く輸出入の伸び縮小が明らかにされている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(981/HK)が5.1%安、光学部品OEMメーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が3.6%安、旅行サイト中国大手の携程集団(9961/HK)が3.4%安と下げが目立った。
セクター別では、半導体が安い。上記した中芯国際集成電路製造のほか、華虹半導体(1347/HK)が4.8%、上海復旦微電子集団(1385/HK)とSMPT(522/HK)がそろって3.0%ずつ下落した。半導体分野を巡る米国の対中圧力継続が不安視されている。米国の厳しい輸出規制にもかかわらず、華為技術(ファーウェイ)が国産の先進半導体を搭載して3年ぶりに第5世代(5G)移動通信機能を復活させたことを受け、ジェイク・サリバン米国国家安全保障担当大統領補佐官は現地時間の5日、「『小さな庭と高い壁』の技術規制政策を継続していく」との考えを示した。
中国不動産セクターも急落。
医薬品セクターもさえない。百済神州(6160/HK)が2.6%安、広州白雲山医薬集団(874/HK)が2.3%安、華潤医薬集団(3320/HK)が1.8%安で引けた。
半面、天然ガスや石炭の銘柄群は物色される。新奥能源HD(2688/HK)が4.6%、昆侖能源(135/HK)が1.6%、港華智慧能源(1083/HK)が0.9%、中国神華能源(1088/HK)が1.7%、中国中煤能源(1898/HK)が1.4%ずつ上昇した。
一方、本土マーケットは反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.58%安の3139.82ポイントで前場取引を終了した。ハイテク株が安い。医薬品株、消費関連株、素材株なども売られた。半面、エネルギー株は高い。不動産株、通信株、銀行株の一角も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)