内外の好材料が相場を押し上げる流れ。「国家隊」と呼ばれる中国の政府系投資会社、中央匯金投資は11日、4大国有銀行のA株を買い増している。中央匯金投資がさらに、向こう6カ月内に流通市場で一段の買い増しを続ける方針を示す中、本土株の下値不安も薄らいだ。米金利の低下基調もポジティブ材料。昨夜の米債券市場では、米10年債利回りが4.65→4.55%台に低下している。先週6日は一時、4.88%台に達していた。米連邦準備理事会(FRB)の関係者からは「追加利上げの必要性は低い」との認識がこのところ相次いでいる。(亜州リサーチ編集部)
中国の銀行が相場をけん引。ハンセン指数の構成銘柄では、中国建設銀行(939/HK)が5.6%高、中国工商銀行(1398/HK)が4.8%高、招商銀行(3968/HK)が4.4%高と値を上げた。中国金融セクターでは、保険や証券も軒並み買われている。
スポーツ用品や家電など消費セクターも高い。
自動車セクターも急伸。長城汽車(2333/HK)が8.1%高、北京汽車(1958/HK)が5.1%高、東風汽車集団(489/HK)が3.9%高、吉利汽車HD(175/HK)が3.8%高で引けた。
ゼネコン株もしっかり。中国建築国際集団(3311/HK)が5.0%高、中国中鉄(390/HK)が2.9%高、中国交通建設(1800/HK)が3.3%高、中国鉄建(1186/HK)が2.2%高で取引を終えた。
他の個別株動向では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が3.0%高と続伸(11日は12.2%高)。同社が公表した9月の営業実績では、スマートフォン用レンズの出荷数が5カ月連続のプラス成長を達成した。「業績の最悪期は過ぎた」として、ブローカーの間で投資判断や目標株価を引き上げる動きが続いている。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.94%高の3107.90ポイントで取引を終了した。金融株が高い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)