米中関係の改善期待が相場を支える流れ。中国の王毅・外交部長は10月26~28日の日程で訪米し、バイデン米大盗聴やブリンケン国務長官などと相次いで会談した。11月に米国で開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に合わせ、習近平・国家主席とバイデン米大統領の会談が実現するとの見方も広がっている。ただ、上値は重い。中東地域の地政学リスクが高まっている。イスラエルのネタニヤフ首相は28日、イスラム組織ハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区の地上作戦について、「戦争は第2段階に入った」と表明した。戦いは長期化するとも述べている。(亜州リサーチ編集部)
セクター別では、医薬品の上げが目立つ。ハンセン指数の構成銘柄では、翰森製薬集団(3692/HK)が6.3%高、中国生物製薬(1177/HK)が5.8%高で引けた。
「ニューエコノミー」銘柄も物色される。ハンセン科技(テック)指数は1.3%高と他の指数をアウトパフォームした。個別では、光学部品OEMメーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が6.5%高、ファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(981/HK)が6.2%高、スマートフォン中国大手の小米集団(1810/HK)が5.9%高と値を上げている。
セメントや鉄鋼、非鉄の素材セクターもしっかり。華潤水泥HD(1313/HK)が5.2%高、中国建材(3323/HK)が3.8%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が9.0%高、鞍鋼(347/HK)が2.3%高、洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.7%高、江西銅業(358/HK)が2.6%高で取引を終えた。
半面、中国の銀行セクターは安い。招商銀行(3968/HK)が3.8%、交通銀行(3328/HK)が3.5%、中国工商銀行(1398/HK)が2.9%ずつ下落している。招商銀行など本土行が報告した1~9月決算では、経常収益(=売上高)が減少し、純金利マージンも低下。業績不安が重しとなった。
石油セクターもさえない。大手3社の中国海洋石油(883/HK)が3.5%安、中国石油天然気(857/HK)が3.4%安、中国石油化工(386/HK)が2.4%安、原油掘削の中海油田服務(2883/HK)が3.1%安と値を下げた。
他の個別株動向では、中国民間ガス供給業者の新奥能源HD(2688/HK)が5.2%安。同社は27日引け後、1~9月期の天然ガス小売販売量が前年同期比で5%減少したと報告した。
一方、本土マーケットは小幅ながら5日続伸。主要指標の上海総合指数は、前営業日比0.12%高の3021.55ポイントで取引を終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)