自律反発狙いの買いが優勢となる流れ。指数は安く始まったが、このところ急ピッチな下げが続いていただけに、値ごろ感が着目され、前引けにかけてプラスに転じた。大型連休中の人出が復調していると伝わる中、消費活動の回復期待も強まっている。もっとも、買い進む動きは限定的。昨夜の米株が大幅に下げたことや、中国経済の先行き不安がくすぶっていることもマイナスだ。また、本土市場が春節(旧正月)連休で休場(19日に取引再開)とあって、積極的な売買も手控えられている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が5.6%高、不動産管理サービスの碧桂園服務HD(6098/HK)が5.5%高、江蘇省拠点の翰森製薬集団(3692/HK)が5.4%高と上げが目立った。フードデリバリーも手がける美団に関しては、春節連休中の利用増もプラス材料。同社によると、登録住所と異なる場所を受取先に指定した「年夜飯(年越し料理)」のデリバリー注文件数は前年同期比で29%増加した。
セクター別では、マカオのカジノ関連が高い。美高梅中国HD(2282/HK)が9.6%、銀河娯楽集団(27/HK)が3.5%、永利澳門(1128/HK)が3.2%ずつ上昇した。連休中の売上増が期待される。
自動車セクターも物色される。中国恒大新能源汽車集団(708/HK)が11.1%高、小鵬汽車(9868/HK)が7.9%高、浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.4%高、理想汽車(2015/HK)が2.3%高で引けた。
半面、非鉄や鉄鋼、セメントなど景気動向に敏感な素材セクターは安い。洛陽モリブデン集団(3993/HK)が3.4%、江西銅業(358/HK)が3.3%、鞍鋼(347/HK)が4.7%、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が2.6%、北京金隅集団(2009/HK)が6.2%、中国建材(3323/HK)が2.6%ずつ下落した。
悪材料のある医薬2銘柄も急落。創薬支援の無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が18.6%安、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が9.2%安と値を下げた。対外圧力を懸念。米超党派議員グループは12日、両社が中国共産党、中国人民解放軍と結び付いており、米国の安全保障を脅かしているとする書簡を提出した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)