19日の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前日比161.73ポイント(0.99%)安の16224.14ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が57.25ポイント(0.99%)安の5746.61ポイントと3日ぶりに反落した。売買代金は1061億5270万香港ドルとなっている(18日は952億7990万香港ドル)。

 投資家の慎重スタンスが強まる流れ。中東の複数メディアは19日、イラン領内で複数の大規模な爆発が発生したと報じた。米メディアによれば、イスラエル発射のミサイルがイラン領内に着弾したことを米政府高官が認めたという。また、米利下げ観測の後退や、米中対立の激化懸念も売り材料視されている。外電は18日、消息筋情報として「米政府からの圧力を受け、メキシコ政府が中国の自動車メーカーに対する補助金の支給を停止したもよう」などと伝えた。バイデン米政権は今年に入り、自動車や半導体、バイオテクノロジーなど複数分野で中国に対する圧力を強化している。
もっとも、下値を叩くような売りはみられない。中国の経済対策に対する期待感が持続している。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が7.4%安、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が4.9%安、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が4.7%安と下げが目立った。
 自動車セクターも安い。上記した理想汽車のほか、小鵬汽車(9868/HK)が7.4%、浙江零ホウ科技(9863/HK)が3.0%、吉利汽車HD(175/HK)が2.7%、比亜迪(1211/HK)が2.0%ずつ下落した。
 医薬品開発受託機関(CRO)など創薬支援関連の銘柄群も急落。
前記した薬明生物のほか、来凱医薬(2105/HK)が7.3%安、康龍化成(北京)新薬技術(3759/HK)が5.7%安、無錫薬明康徳新薬開発(2359/HK)が4.4%安と値を下げた。
 半導体セクターも売られる。ASMPT(522/HK)が7.2%安、上海復旦微電子集団(1385/HK)が2.5%安、晶門半導体(2878/HK)が2.0%安、華虹半導体(1347/HK)が1.6%安で取引を終えた。
 半面、石油セクターはしっかり。大手3社の中国石油天然気(857/HK)が2.3%高、中国石油化工(386/HK)が1.5%高、中国海洋石油(883/HK)が1.2%高、原油掘削の中海油田服務(2883/HK)が1.0%高で引けた。中東情勢の悪化を受け、19日のWTI原油先物は急伸している。

 海運セクターも高い。太平洋航運集団(2343/HK)が7.9%、東方海外(316/HK)が4.4%、中遠海運HD(1919/HK)が3.0%、中遠海運能源運輸(1138/HK)が2.9%ずつ上昇した。
 一方、本土マーケットも3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.29%安の3065.26ポイントで取引を終了した。ハイテク株が安い。消費関連株、医薬株、不動産株、公益株、インフラ建設関連株、空運株、保険株なども売られた。
半面、エネルギー株は高い。軍事関連株、海運株、素材株、銀行株の一角も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)