投資家の慎重スタンスが強まる流れ。中国と西側諸国の対立が不安材料だ。欧州連合(EU)は4日、予定通り5日から中国製の電気自動車(EV)に追加関税を暫定的に賦課すると発表。中国商務部の報道官は4日、これに対して強く反発した。米中の指標発表も気がかり。米国では5日夜(日本時間)に6月の雇用統計、中国では10日に6月の物価統計、12日に6月の貿易統計、15日に6月の小売売上高や鉱工業生産などのほか、第2四半期のGDP成長率、15日までに6月の金融統計が公表される。指数は朝方に一進一退していたが、下げ幅を徐々に広げた。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、民間自動車メーカーの吉利汽車HD(175/HK)が3.6%安、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が3.5%安、自動車ディーラー大手の中升集団HD(881/HK)が3.4%安と下げが目立った。中升集団は独メルセデス・ベンツ車も扱っているため、EUと中国の対立で、中国が欧州からの輸入車関税を引き上げる可能性も懸念されている。
セクター別では、自動車が安い。上記した吉利汽車のほか、小鵬汽車(9868/HK)が4.5%、華晨中国汽車HD(1114/HK)が4.0%、理想汽車(2015/HK)が3.0%ずつ下落した。
中国の不動産セクターもさえない。
半面、産金セクターはしっかり。招金鉱業(1818/HK)が2.1%高、霊宝黄金(3330/HK)と山東黄金鉱業(1787/HK)がそろって1.9%高、紫金鉱業集団(2899/HK)が1.8%高で前場取引を終えた。
一方、本土マーケットは3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.93%安の2929.98ポイントで前場の取引を終了した。エネルギー株が安い。消費関連株、銀行・保険株、公益株、運輸株、ハイテク株、不動産株なども売られた。半面、医薬株は高い。素材株、証券株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)