米株高が好感される流れ。昨夜の米株市場では、主要株価指数が4日ぶりに反発し、世界株安の警戒感が薄らいだ。また、ハンセン指数は前日までの続落で、約3カ月半ぶりの安値水準に落ち込んでいただけに、値ごろ感も着目されている。中国の経済対策も改めて注目された。内需不振など景気先行き不安がくすぶる中、7月の第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)で示された方針のもと、当局は支援策を急いでいる。直近では、国家発展改革委員会など関係部門が6日、電力システム更新に向けた3カ年計画を発表。「新型電力システム」の建設を加速し、新エネルギーの送電比率を高める構えだ。
一方、取引時間中に報告された7月の中国貿易統計はまちまちの内容。米ドル建て輸出が7.0%増にとどまり予想(9.5%増)を下回ったものの、輸入が7.2%増と予想(3.2%増)を大幅に上回っている。内需の指標ともなる輸入は前月、予想外のマイナス成長(2.3%減)だった。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、アルミ産業の中国宏橋集団(1378/HK)が5.0%高、旅行サイト中国大手の携程集団(トリップドットコム・グループ:9961/HK)が4.9%高、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が4.2%高と上げが目立った。
セクター別では、発電(太陽光や風力、石炭火力、原子力)や設備の電力関連が高い。
石油・石炭セクターもしっかり。中国石油化工(386/HK)が2.9%高、中国石油天然気(857/HK)が2.7%高、中国海洋石油(883/HK)が2.0%高、中国中煤能源(1898/HK)が3.5%高、中国神華能源(1088/HK)が2.4%高で取引を終えた。
携帯端末の増産を意識し、スマートフォン部材・組立の銘柄群も物色される。瑞声科技HD(2018/HK)が5.3%高、高偉電子(1415/HK)が5.1%高、舜宇光学科技(2382/HK)が4.0%高、富智康集団(2038/HK)が2.7%高、比亜迪電子(BYD電子:285/HK)が2.4%高で引けた。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.09%高の2869.83ポイントで取引を終了した。エネルギー株が高い。発電・設備株、消費関連株、海運株、軍事関連株、銀行株なども買われた。半面、不動産株は安い。ハイテク株、医薬株、空運株、保険・証券株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)