業績動向手がかりに上昇する流れ。主要企業の決算報告が香港で終盤に入る中、決算内容を材料にした取引が活発化し、増益や増配、業績改善見通しなどを明らかにした銘柄に買いが広がった。米ハイテク株安や中国と西側諸国の関係悪化などを不安視した売りが先行したものの、下値は堅く、指数は後場途中からプラスに転じている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、乳製品メーカー中国大手の中国蒙牛乳業(2319/HK)が9.7%高、飲食ポータルサイトの美団(3690/HK)が8.9%高、火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(6862/HK)が5.7%高と上げが目立った。蒙牛の中間決算は9%減益だったものの、高飛・総裁兼執行董事が「下半期に営業利益率は大幅に改善する」と説明したことが買い安心感につながっている。美団については、4~6月期決算の調整後利益8割増と自社株買い計画が材料視された。
そのほか、決算動向を手がかりにした物色では、粉ミルク中国最大手の中国飛鶴(6186/HK)が13.2%高。同社の中間決算は1割増益となり、増配の方針も明らかにした。航空情報システム大手の中国民航信息網絡(696/HK)は10.7%高。航空需要の回復が続き、同社の中間決算は1割増益となった。中国業界最大手の中信証券(6030/HK)が2.7%高。同社の中間決算は減益だったが、配当の実施方針を明らかにした(前年同期はなし)。
半面、中国の銀行セクターは安い。交通銀行(3328/HK)が6.3%、中国農業銀行(1288/HK)が4.1%、中国建設銀行(939/HK)が3.3%、中国工商銀行(1398/HK)が2.5%ずつ下落した。交通銀行の中間減益がセクター全体の逆風となっている。同行の減益は、コロナ禍以降では初めてだ。
そのほか、新興EV(電気自動車)メーカーの理想汽車(2015/HK)が9.7%安。4~6月期決算の5割減益が嫌気されている。
一方、本土マーケットは3日続落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.50%安の2823.11ポイントで取引を終了した。銀行株が安い。エネルギー株、公益株、保険株、メディア関連株、海運株なども売られた。半面、ハイテク株は高い。消費関連株、医薬株、素材株、不動産株、軍事関連株も買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)