中国経済対策の期待感が相場を支える流れ。4日に開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)常務委員会の第12回会議に関しては、最終日(8日)に国営メディアが詳細を報じる予定。6兆~10兆人民元規模の財政政策が打ち出されるとの見方だが、対中強硬派のトランプ政権が誕生することで、市場関係者からは、より規模の大きい財政出動が決まる可能性も指摘された。米大統領選でトランプ前大統領が勝利する中、同氏が掲げる関税政策に対する警戒感で売り先行したものの、下値は堅く、指数は中盤からプラスに転じた。トランプ氏の公約では、中国からの輸入品に一律60%の関税をかけ、そのほかの国からの輸入品にも10~20%の関税を課す。貿易戦争に発展する可能性も危惧されている。
一方、取引時間中に公表された10月の中国貿易統計では、輸出が予想(5.0%増)を大幅に上回る12.7%増に拡大したが、輸入は2.3%減少し、縮小幅は予想(2.0%減)よりも大きかった。内需の弱さを示す内容となったが、嫌気する売りは限定されている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、中国消費関連の上げが目立つ。火鍋チェーン最大手の海底撈国際HD(6862/HK)が7.2%高、政府系の華潤ビールHD(291/HK)が6.3%高、中国スポーツ用品大手の李寧(2331/HK)が6.0%高で引けた。
中国不動産セクターも高い。世茂集団HD(813/HK)が34.1%、広州富力地産(2777/HK)が26.4%、遠洋集団HD(3377/HK)が17.6%、融創中国HD(1918/HK)が15.5%ずつ上昇した。
中国の銀行・保険セクターもしっかり。中国工商銀行(1398/HK)が2.5%高、招商銀行(3968/HK)が2.1%高、中国郵政儲蓄銀行(1658/HK)が2.0%高、中国平安保険(2318/HK)が2.9%高、中国人民保険集団(1339/HK)が2.2%高と値を上げた。
半面、太陽光発電の関連銘柄は安い。協キン科技HD(3800/HK)が7.8%、中国水発興業能源集団(750/HK)が4.9%、信義光能HD(968/HK)が3.0%、陽光能源HD(757/HK)が2.9%ずつ下落した。
一方、本土マーケットも反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.88%高の3413.47ポイントで前場の取引を終了した。消費関連株が高い。不動産株、医薬株、公益株、金融株、資源株なども買われた。半面、太陽光発電株は安い。軍事関連株、半導体株の一角も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)