米中対立激化の警戒感が重しとなる流れ。トランプ次期米大統領は日本時間26日に自身のSNSに、中国が違法薬物の米国流入を容認しているとして、事態が解決するまで、既存の輸入関税に10%の追加関税を課すと投稿した。それに対し、在ワシントンの中国大使館は、「貿易戦争に勝者はいない」などと反発している。トランプ氏は60%の対中関税を表明しているだけに、今後の動きも気がかりだ。人民元安の進行もマイナス材料。26日の外国為替市場では、対米ドルの人民元安が進行し、7月下旬の元安水準で推移している。
ただ、下値は限定的。このところの下落ピッチが急だったこともあり、自律反発狙いの買いなどで指数はプラス圏で推移する場面もあった。また、中国の追加経済対策に対する期待も根強い。国内景気の回復遅れが指摘される中、当局は経済成長目標達成のため、金融・財政で景気を押し上げるとの見方だ。金融政策に関しては、年内に預金準備率が引き下げられるとの観測が流れている。(亜州リサーチ編集部)
業種別では、ハイテク関連の下げが目立つ。
自動車株も安い。上海汽車集団(600104/SH)が5.8%、広州汽車集団(601238/SH)が2.8%、東風汽車(600006/SH)が1.8%、長城汽車(601633/SH)が1.7%ずつ下落した。資源株、公益株、インフラ関連株、海運株なども売られている。
半面、金融株はしっかり。中国農業銀行(601288/SH)が1.7%高、中国銀行(601988/SH)が1.6%高、中国工商銀行(601398/SH)が1.5%高、中国人民保険集団(601319/SH)が1.6%高、中国人寿保険(601628/SH)が0.8%高、光大証券 (601788/SH)が3.0%高、中信建投証券 (601066/SH)が1.2%高で取引を終えた。医薬株、酒造・食品株、空運株も買われている。
外貨建てB株相場は、上海B株指数が0.37ポイント(0.13%)安の272.92ポイント、深センB株指数が5.49ポイント(0.46%)安の1199.73ポイントで終了した。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)