中国経済対策の期待感が相場を押し上げる流れ。中央政治局会議が9日開催された。国営メディアの新華社が9日午後報じたところによると、来年は「より積極的な財政政策」と「適度に緩和的な金融政策」を実施する方針。金融政策で「適度に緩和的な金融政策」との文言が盛り込まれたのは、2011年以降で初めてとなる。なお、翌年の経済政策方針を決める中国の重要会議「中央経済工作会議」は、11~12日に開催される見通しだ。
指標発表前の様子見で、指数は安く推移する場面がみられたものの、引けにかけて急速に上昇の勢いを増した。中国では今週から来週にかけ、11月の各種経済統計が公表される(あす10日に貿易、16日に小売売上高や鉱工業生産など、15日までに金融)。朝方発表された物価統計に関しては、消費者物価指数(CPI)の上昇率が前年同月比プラス0.2%(予想はプラス0.4%)、生産者物価指数(PPI)がマイナス2.5%(同マイナス2.8%)で着地した。まちまちの内容となり、相場に対する影響は限定されている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄は、ほぼ全面高(構成83のうち上昇81)。
そのほか、本日付けでハンセン指数の構成銘柄に組み入れられた2銘柄については、民営教育サービス業者の新東方教育科技集団(9901/HK)が2.2%高、ショート動画投稿アプリの快手科技(1024/HK)が1.8%高だった。
中国不動産セクターも急伸。融創中国HD(1918/HK)が14.7%高、世茂集団HD(813/HK)が13.3%高、広州富力地産(2777/HK)が10.5%高、旭輝(884/HK)が8.7%高と値を上げた。
部材や組立のスマートフォン関連も高い。舜宇光学科技(2382/HK)と丘タイ科技(1478/HK)がそろって6.8%、比亜迪電子(BYDエレク:285/HK)が9.3%ずつ上昇した。光学部品メーカーの舜宇光学科技が報告した11月の営業実績では、マートフォン用レンズの出荷数が前年同月比で5.6%減少。2カ月続けてのマイナス成長だったが、これを嫌気する売りはみられていない。
一方、本土マーケットは3日ぶりに反落。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)