内外の好材料で投資家心理が上向く流れ。トランプ米大統領発言を好感して米株が昨夜続伸したことや、中国当局の本土市場安定化策が材料視されている。トランプ氏は23日、スイスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)でオンライン演説し、サウジアラビアなど石油輸出国機構(OPEC)に原油値下げを要請し、米連邦準備制度理事会(FRB)に利下げを求める考えを明らかにした。また、中国金融当局が23日発表した「中長期資金の株式市場導入工作の推進に関する実施計画案」について、東呉証券のアナリストは「2025年の新規資金流入額は約1兆8000億人民元(約38兆5400億円)に上る見通し」などと分析した。米中対立の過度な警戒感も薄らぐ。外電は24日午前(日本時間)、トランプ米大統領がメディアインタビューで、「どちらかと言えば、中国に対し関税を使わずに済むのが望ましい」と語った。指数は中盤から上げ幅を拡大している。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、光学部品メーカーの舜宇光学科技(2382/HK)が7.8%高、通信機器・自動車メーカーの小米集団(1810/HK)が5.8%高、旅行サイト中国大手の携程集団(9961/HK)が5.2%高と上げが目立った。
セクター別では、スマートフォン関連が高い。舜宇や小米などのほか、丘タイ科技(1478/HK)が11.5%、高偉電子(1415/HK)が3.4%、瑞声科技HD(2018/HK)が3.1%、富智康集団(2038/HK)が3.8%、比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が3.3%ずつ上昇した。スマホなどデジタル製品3品目を対象とする買い替え補助政策が全国各地でスタートする中、小米は1日あたりのスマホ販売が実施前の4倍に拡大したと公表している。
中国の保険・証券セクターもしっかり。
メディカル関連(医療機器、サービス、製薬)も物色される。上海微創医療機器人集団(2252/HK)が21.8%高、微創医療科学(853/HK)が9.2%高、医渡科技(2158/HK)が6.1%高、京東健康(6618/HK)が3.2%高、永泰生物製薬(6978/HK)が2.9%高、康希諾生物(6185/HK)が2.8%高で前場取引を終えた。
一方、本土マーケットは続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.73%高の3253.79ポイントで前場取引を終了した。ハイテクが高い。自動車、インフラ関連、資源・素材、医薬、金融、不動産なども買われた。半面、公益は安い。海運も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)