投資家のリスク回避スタンスが強まる流れ。貿易戦争がエスカレートする中、世界経済の先行きが悲観されている。トランプ米政権が貿易相手国に同水準の関税を課す「相互関税」を発動したことを受け、中国政府は米国からの輸入品全てに34%の追加関税を課すほか、レアアース輸出規制も実施すると発表した。世界の二大経済大国、米国と中国の関税応酬で、世界のサプライチェーン(供給網)混乱や景気下押しが危惧されている。「トランプ関税」にはカナダなどが報復措置を打ち出したほか、欧州連合(EU)も対抗措置を示唆した。米金融大手JPモルガン・チェースは4日、米国と世界が今年、リセッション(景気後退)に陥る確率を従来の40%から今回は60%に引き上げている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、バイオ医薬品開発受託会社の薬明生物技術(2269/HK)が26.4%安、パソコン(PC)最大手の聯想集団(レノボ・グループ:992/HK)が22.9%安、電子機器受託製造サービス(EMS)の比亜迪電子(BYDエレクトロニック:285/HK)が22.4%安と下げが目立っている。
セクター別では、自動車が安い。吉利汽車HD(175/HK)が21.0%、小鵬汽車(9868/HK)が20.3%、東風汽車集団(489/HK)が16.9%ずつ下落した。
半導体やAI技術、クラウド、ロボットなどの銘柄群も急落。英諾賽科(蘇州)科技(2577/HK)が23.5%安、晶門半導体(2878/HK)が19.3%安、北京第四範式智能技術(6682/HK)が25.9%安、青島創新奇智科技集団(2121/HK)が20.5%安、万国数拠HD(9698/HK)が25.7%安、金山雲HD(3896/HK)が23.9%安、深セン市優必選科技(9880/HK)が29.0%安、深セン市越疆科技(2432/HK)が27.1%安で引けた。
医薬セクターも売られる。薬明生物技術のほか、康希諾生物(6185/HK)が22.9%安、百済神州(6160/HK)が22.8%安、信達生物製薬(1801/HK)が21.1%安で取引を終えた。
本土マーケットは大幅続落。主要指標の上海総合指数は、前営業日比7.34%安の3096.58ポイントで取引を終了した。ハイテクが安い。消費関連、不動産、資源・素材、金融など全業種が下げている。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)