投資家心理がやや上向く流れ。トランプ米政権は「相互関税」からスマートフォンやコンピューターなど電子機器・部品を除外し、これから公表する分野別の「半導体関税」に移行することを明らかにした。市場関係者からは、相互関税よりも分野別関税の方が緩やかにとどまるとの見方も浮上している。また、中国当局の株価対策や、景気支援スタンスなども引き続き支えとなった。先週末に報告された3月の金融統計では、人民元建て新規融資額が市場予想を上回っている。香港メディアの信報は市場関係者の見解として、新規融資の上振れは当局の金融緩和スタンスを示唆すると報道した。なお、取引時間中に報告された3月の中国貿易統計は、米ドル建て輸出が予想以上に伸びる一方、輸入は予想以上に減少した。現時点で相場に対する影響は限定されている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、取引所運営の香港交易所(388/HK)が7.2%高、中国Eコマース最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ:9988/HK)と中国ニット衣料最大手の申洲国際集団HD(2313/HK)がそろって5.5%高と上げが目立った。そのほか、パソコン(PC)最大手の聯想集団(レノボ:992/HK)が4.1%高と買われている。
セクター別では、医薬が高い。百済神州(6160/HK)が8.9%、石薬集団(1093/HK)が4.9%、康希諾生物(6185/HK)が3.7%、中国生物製薬(1177/HK)が3.6%ずつ上昇した。
自動車セクターも物色される。小鵬汽車(9868/HK)が6.6%高、蔚来集団(9866/HK)が5.4%高、東風汽車集団(489/HK)が4.8%高、吉利汽車HD(175/HK)が4.3%高で引けた。そのほか、自動運転向けAIの速騰聚創科技(2498/HK)が3.3%高、知行汽車科技(蘇州)(1274/HK)が2.3%高と値を上げている。
中国の保険セクターもしっかり。中国人民保険集団(1339/HK)が3.4%高、中国人寿保険(2628/HK)が3.3%高、中国人民財産保険(2328/HK)が2.7%高、新華人寿保険(1336/HK)が2.4%高で前場取引を終えた。人民保険集団と人民財産保険については、第1四半期業績の増益見通しが材料視されている。
本土マーケットも5日続伸。主要指標の上海総合指数は、前日比0.86%高の3266.13ポイントで前場取引を終了した。自動車が高い。資源・素材、ハイテク、医薬、金融、不動産、インフラ関連なども買われた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)