景気懸念後退が買い安心感を誘う流れ。民間集計による6月の財新・中国製造業PMIは、市場予想(49.0)を上回る50.4に上昇した。節目の50を2カ月ぶりに上回り、景況感が改善している。ただ、上値は限定的。米国と各国・地域の貿易交渉を巡り、米関税一時停止措置の期限が9日に迫っていることが不安材料だ。状況によっては、世界経済が混乱する恐れもある。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、マカオ・カジノの上げが目立つ。金沙中国(1928/HK)が6.9%高、銀河娯楽集団(27/HK)が6.5%高で引けた。業績の上積みが期待される。マカオ政府は1日、6月の域内カジノ売上高が前年同月比で19.0%増加し、5カ月連続でプラス成長したと報告した。
中国の銀行セクターも高い。中国建設銀行(939/HK)が2.9%、中国農業銀行(1288/HK)が2.7%、中国工商銀行(1398/HK)が2.3%、交通銀行(3328/HK)が1.9%ずつ上昇した。
太陽光発電の関連銘柄も物色される。福莱特玻璃集団(6865/HK)が9.1%高、信義光能HD(968/HK)が6.8%高、陽光能源HD(757/HK)が2.9%高、協キン科技HD(3800/HK)が2.0%高と値を上げた。
消費セクターの一角も買われる。茶飲料の奈雪的茶HD(2150/HK)が35.7%高、ベビー用品の好孩子国際HD(1086/HK)が8.6%高、酒造の華潤ビールHD(291/HK)が3.4%高、家電の海爾智家(6690/HK)が3.3%高、ファストフードの百勝中国HD(9987/HK)が3.2%高、組み立てキャラクター玩具の布魯可集団(325/HK)が2.7%高で前場取引を終えた。奈雪的茶については、足元の販売好調も支援材料。同社の投資家向け説明会によると、2025年5月の1店舗当たり平均注文数は前年同月比で35%、既存店売上高は28%ずつ増加した。
半面、半導体セクターはさえない。上海復旦微電子集団(1385/HK)が3.2%、華虹半導体(1347/HK)が2.6%、晶門半導体(2878/HK)が2.2%、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が1.8%ずつ下落した。ハンセン科技(テック)指数は0.3%逆行安している。
本土マーケットは3日ぶり反落。主要指標の上海総合指数は、前日比0.04%安の3456.51ポイントで前場取引を終了した。ハイテクが安い。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)