同電は、遠藤さんを1932年生まれの戦後日本を代表する作曲家と評価し、1949年に歌手を夢見て上京し、街頭で「流しの歌手」として生活費を稼ぎながら作曲を独学した苦労の人と紹介した。
レコード会社と専属契約を結んでプロの作曲家になってからは500曲以上を発表したと記すとともに、「代表作は『高校三年生』、『北国の春』など」、「単純明快なメロディの中に、そこはかとない郷愁を織り込んだ」、「特に千昌夫さんが歌った『北国の春』は歌詞が中国語に翻訳され、中国でも絶大な人気を得た」などと伝えた。
なお、『北国の春』は改革開放政策が本格化した1980年代には中国で全国的に親しまれるようになった。それまでの中国では西側諸国の流行歌が紹介されることは少なく、「新しい時代の到来」を実感した人々が、好んで歌うようになった。
『北国の春』が親しまれた理由としては、「歌い出しの部分が最も高い音なので、曲の途中で高音部が歌えなくなる心配がない。カラオケ向きのメロディ構成だった」、「日本風のメロディで、1オクターブに5つの音を使うペンタトニック(5音音階)だが、日本の伝統邦楽や演歌でみられる半音進行がない。伝統音楽に半音進行がない中国人の音感にも合った」などを挙げることができる。
中国語の歌詞は日本語をおおむね忠実に訳したもので「詩情あふれる、よい歌詞だ」として愛されたが、日本語教育の専門誌で「誤訳ではないか」との議論が起こったことがある。
誤訳だとする意見は、中国語歌詞にある「都会では季節の変化が分らないだろうと、母が冬の衣服を入れた小包を送ってくれた」との部分を指摘。「春の歌なのに、冬物の衣服はおかしい。日本人の感覚からして、田舎にいる母親が息子に送ったのは、季節の変化を知ることができる食べ物のはず」などと主張した。(編集担当:如月隼人)
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