日本経済は「追いつけ追い越せ」モデルで成功を収めた。1980年代は日本が「欧米諸国に追いつき追い越せ」という目標を達成した時期であり、この点は日本国内および世界各国で認められている。


 日本がこうした目標を達成した後、たびたび経済低迷に陥っているが、これは偶然の現象ではない。日本経済がこの20年間、直面している苦境は、「追いつき追い越せ」モデルで成功した後の発展のなかで現れた。これは簡単に解決できる問題ではないが、中国も参考例として学ぶ意義がある。

 日本は江戸・明治時代から、「追いつき追い越せ」を目標に掲げ近代化路線を歩み、こうした発展は2つの世界大戦をはさみ1980年代まで続いた。日本はこの発展プロセスなかで、「東洋の精神、西洋の技術」をそれぞれ評価し、西側諸国の科学技術を重点的に学んだ。

 日本が追求したのは破壊型イノベーションでなく、応用型イノベーションであったが、このタイプのイノベーションは長期的な経済成長を支える新たなシステムを構成するには不十分であった。日本経済の発展は不十分な技術革新の影響のほかに、世界経済の周期による深刻な影響を受けているため、新たな経済の成長ポイントが現れる前に、日本が自ら新たな成長ポイントを見つけることは不可能と見られる。

 こうした点から、日本経済の長期的な低迷は世界経済が新たな成長ポイントを模索するプロセスと言えよう。新たな成長ポイントが現れた時に初めて、日本経済の長期的・持続可能な成長の可能性が見えてくるだろう。(おわり 文:李衆敏 中国社会科学院世界経済・政治研究所国際投資研究室副研究員)


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