このほど、広州大学の図書館広場前でチャイナドレス(満州族起源の伝統衣装)と唐装(漢族の伝統衣装)を身にまとった卒業生たちが路行く人の注目を集めていた。

 彼らは広州大学新聞メディア学部広告専攻の2009年度の卒業生。
卒業写真のために、中国の大学で広く着られる学士服の他、女子学生はチャイナドレスを、男子学生は唐装を着て撮影に臨んだ。

 学生によると、「これまで先輩たちがまるでマージャンのチンイーソーみたいに欧米風の学士服を着て卒業式に出席するのをみて、私たちは、一生に一度の大学の卒業式に “中国風”で出席すると決めた」という。このアイディアはクラス中の賛同を得、クラス担任にも唐装を準備し、“中国風”卒業式を楽しんだ。

 近年、中国では伝統衣装を重んじる傾向にある。結婚の際に撮られる「結婚アルバム」も唐代の衣装である“唐装”を纏ったものが人気だ。しかし、日本の和服、韓国のチマ・チョゴリなどに代表されるような、国内外で認められている伝統衣装はまだない。外国人が中国と結びつけるチャイナドレスは満州族の民族衣装であり、漢民族の衣装ではない、というのが漢民族の意見だ。これに及び中国では一時“国服”論争が起こり、今も議論は続いている。同時に、多民族国家である中国で唯一の“民族衣装”を決めることへの傲慢さを指摘する意見がでている。(編集担当:佐瀬さち子)

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