映画「ATOM(アトム)」を中国で配給する光線影業はこのほど、同作品の観客動員数で大幅な水増しをしたことを認め、公開謝罪した。19日付で北京晨報が伝えた。


 「ATOM」の公開は10月23日の金曜日だった。光線影業は公開3日目の25日までに4000万人が同作品を見たと発表した。その後、中国政府の電影局(映画局)が、「同期における入場券販売数は1700万枚。はなはだしい水増しがある」と指摘した。

 光線影業は「25日の土曜日に好調だったため、日曜日には観客が大幅に増えると予想して、メディアに発表した。宣伝効果があがると考えたことも事実」として、「考えが甘すぎた」などと公開謝罪した。

 電影局の毛羽副局長は、「中国国内で公開される映画作品の8割で、観客動員数を水増しして発表している」と指摘。「このようなやり方には、絶対に賛同できない。業界は自主規制を強めてほしい」と述べた。

 毛副局長によると、映画館側が観客数を少なく発表する例もある。配給会社への支払いを減らすためで、大都市では入場券販売がコンピューター利用のシステム化しているために難しいが、それでも配給会社は主要映画館に監視スタッフを送っている。

 動員数が実際よりも少なければ、国に納めることが義務付けられている入場料5%分の映画専門基金費と3.3%の営業税も減るので電影局は、「縮小報告」の摘発に力を入れている。
(編集担当:如月隼人)

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