30日夜に行われた上海国際博覧会(上海万博)の開会式で、日本人歌手の谷村新司さんが、「昴(すばる)」を歌った。

 胡錦濤国家主席の開会宣言などの儀式の後のアトラクションでは、2008年の北京五輪大会の開会式を思い起こす、規模と豪華さが目立った。
ただし、北京五輪の際ほどは民族色を際立たせず、世界との交流と融和を強調した。

 谷村さんは、世界5大陸のうち、アジアを代表するアーティストのひとりとして出演した。ときおり笑顔を見せながら「昴(すばる)」を熱唱。中国人の間では「わが国ではとても有名な曲だが、世界の人は、上海万博の開会式で日本の歌が披露されて、驚くのではないか」などの声もあがった。

 他の演目と同様に、「昴」演唱時も、舞台とその周辺、大型スクリーンを駆使した複合的な演出で、夜空に浮かぶ幻想的な星の姿などを出現させた。中国新聞社は谷村さんの「昴」を、「人類の温かくデリケートな感情を表現。長い間離れていた旧友に会った時のような、しみじみとした感動を覚えた」と評した。

 谷村さんは中国の名門音楽大学、上海音楽学院で教授を務めるなど、日中の懸け橋として活動してきた。上海万博では「イメージ大使」としてPRに努めている。(編集担当:如月隼人)

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