岩田さんが中国に謝罪に来たのは今回で3回目だ。前回の2回は2005年と2006年で、ハルビン、長春、北京、天津、洛陽、青島、南京、武漢、重慶などの都市で謝罪を繰り返した。
岩田さんが来るのは憎しみ継続させるためではない。それとは逆で、仏教の力を拠り所に戦争で亡くなった霊を慰め、謝罪という方法で日中両国の歴史に横たわる傷を補いたいと思っているという。
中国を初めて訪れたには2005年。その前に岩田さんは、韓国やフィリピンに行って謝罪したが、中国でのこのような苦行僧のような旅を支持する人はほとんどいなかった。
毎回、何日も続く謝罪の「儀式」で岩田さんは、少しの果物とアメしか口にしない。そのような断食のような状態は、74歳の岩田さんにとってかなり危険な行為である。しかし日本の文化では満腹の人は霊魂と意思疎通できないため、「絶食は私の誠意を表している」と岩田さんは言う。
しかし日本でこうした誠意はなかなか理解されない。
3日の絶食で謝罪したあと、岩田さんは急いで日中友好協会と中国政府の関係部門へ手紙を出した。「中国政府からお金や何か物をもらいたいわけではなく、ただ日中平和賞の賞状を出して欲しいだけだ。中国の人に私の謝罪を認めて欲しい。もし賞を授与してくれれば、それは私のこうした行為が肯定されたことになり、中国へ謝罪に来る日本人も多くなるかもしれない」(編集担当:米原裕子)
【関連記事・情報】
・日本の謝罪が中国に届かない理由、「歴史の否定と靖国参拝」(2010/02/01)
・日本最高裁、中国人女性の慰安婦訴訟を棄却(2010/03/04)
・日本の謝罪が中国に届かない理由、「歴史の否定と靖国参拝」(2010/02/01)
・「鳩山首相が南京で謝罪」、外務省と官房長官は「聞いてない」(2010/01/07)
・米国紙が日中の和解に警告「中国と米国、どっちを選ぶのだ?」(2010/01/07)