サーチナ総合研究所(上海サーチナ)はウェブサイト「新秦調査」で、中国政府が「警察が売春で摘発した容疑者を市内で引き回すなどで、大衆の目にさらすことを禁止」と通達したことに対する見方を調査した。回答者の48.07%が「政府通達」を支持した。


 中国政府・公安部は6月になり売春行為の集中取り締まりを実施。「大きな成果をあげた」と発表したが、警察側が摘発した女性に手錠をかけ、裸に近い状態のまま街頭に立たせた写真をメディアに公開するなどの事例があり、警察のやり方を疑問視する声も多く出た。中国各地の警察はこれまでもしばしば、売春行為の摘発で現場で身柄を拘束された容疑者の写真を公開してきた。

■売春の容疑者に対しては、女性が厳しい見方。

 アンケートでは、中国政府の「市内引き回し禁止通達」に対して、男性回答者の51.27%、女性回答者の43.57%が「支持する」との考えを示した。「賛成できない」は男性が25.17%、女性が23.51%。
「分からない」は男性が23.56%、女性が32.92%。

 売春で摘発された容疑者に対しては、女性の方にやや、「厳しい見方」、「態度保留」の考えが多いことが分かった。

 売春行為の摘発により大衆の面前にさらされた容疑者に対して、「同情する」と回答した人は男性では20.55%、女性は14.11%、「軽蔑(けいべつ)する」は男性が16.86%、女性が26.33%と、女性の厳しい見方がさらに目立った。

 写真は重慶市内のホテルで、売春行為の容疑で摘発された女性ら。6月20日付で中国新聞社が配信。同市警察は女性らの顔が分からないよう配慮したが、地方によっては道を歩かせるなどで、顔をさらしたケースもある。


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◆解説◆
 警察が身柄を拘束した容疑者を人前にさらすことには人権問題だけではなく、「法治の概念」の問題も出てくる。司法機関によって「有罪」が確定する前に、行政機関である警察が「容疑者と判断しただけで制裁を加える」ことになるからだ。(編集担当:如月隼人)

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