ケニアの首都ナイロビで開かれたユネスコ無形文化遺産保護政府間委員会は16日、中国が申請していた「中医鍼灸」と「京劇」をそれぞれ「人類無形文化遺産代表リスト」に登録することを決定した。中国網が伝えた。


 初めてサハラ砂漠以南のアフリカ国家で開催された今回の政府間委員会には、29の国が47項目を申請した。中国が申請した項目では、中医鍼灸と京劇のほか、「水密隔艙福船の製造技術」「活字印刷術」「マシラップ(漢語表記で「麦西熱甫」、ウイグル族が祝事などで披露する歌や踊り)」が「早急な保護を必要とする無形文化遺産リスト」に登録された。

 なお、中国は2009年までに古典劇の昆曲、古琴芸術など26項目が「人類無形文化遺産代表リスト」に、3項目が「早急な保護を必要とする無形文化遺産リスト」に登録されており、今回登録分と合わせて世界で最も多くの項目が登録されている国だという。

 中医の国際化を重視している中国にとって、最も海外に受け入れられやすいとされている「中医鍼灸」が無形文化遺産の称号を受けたことは、中医の宣伝、普及活動にさらに拍車をかける足がかりのひとつになりそうだ。(編集担当:柳川俊之)

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