中国で、誘拐されたり貧困のため親に売られた児童への関心が高まった。中国社会科学院農村発展研究所の于建〓教授が自らが児童解放のための運動を始め、誘拐された4人を発見したことを明らかにしたことなどがきっかけだ。
中国ではこれまでも誘拐や児童売買が問題視されていが、于教授の動きに刺激された政府・公安部も改めて問題解決のため本格的に動きはじめた。中国新聞社などが報じた。(〓は山へんに「榮」)

 誘拐された児童の多くは、「物乞い」をさせられている。安徽省阜陽市の農村部には、古くから児童を使う「物乞い集団」の根拠地があるという。かなりの数の児童が「憐れみを誘う」ために、刃物や硫酸などの薬品で、障害者にさせられている。

 物乞いの児童には毎日の“ノルマ”が課せられる。稼ぎが悪いと殴る蹴るなどで痛めつけられるので、体を傷つけることを受け入れる児童もいる。「集団」には、自分も元は誘拐された児童だった大人も多い。

 これまで、「物乞い集団」の大人が一緒にいる児童を「自分の子だ」と主張した場合、警察は介入しにくかった。于教授は、街頭で撮影した物乞いをしている児童の写真を大量にインターネットで発表し、「心あたりがある人は、連絡してほしい」などと呼びかけた。他のユーザーも于教授に協力。警察も「児童解放のための写真撮影運動」を支持し、捜査の結果、これまでに誘拐された児童4人を発見したという。
(編集担当:如月隼人)

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