疑惑は、韓国企業の上海事務所に駐在する韓国人男性が、妻である中国人女性の行動を不審に思い、パソコンなどを調べてたところ、韓国総領事館員3名との写真や誓約書、ビザ発給記録や韓国政府高官の電話番号など「機密資料」が見つかったというもの。韓国メディアは「韓国政府は秘密裏に本件について処理してきた」として関係者への調査などを行ってきたと伝えるとともに、自称公務員という中国人女性の身分について中国や北朝鮮のスパイではないかと憶測した。そして「ハニートラップ」疑惑が事実であると仮定した上で「亡国的不倫行為」などと痛烈な批判を浴びせかけた。
この件に関して中国網は、遼寧社会科学院の呂超研究院の解説を掲載した。呂氏は韓国メディアの報道について「国家機密情報などキャッチーな言葉を用いてあおっているが、実際は大した価値のない情報。韓国メディアはこのような手を常とう的に用い、北朝鮮スパイについて煽り立てる」と評価した。また、日本やアメリカなどでは中国人女性の「ハニートラップ」疑惑はしばしば聞かれるものの、韓国では少なかったことを指摘。今回このような疑惑が発生したことについて「天安艦事件」後に中韓関係に対する世間の空気に不穏な変化が生じていることの表れと分析した。(編集担当:柳川俊之)
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