事故現場は昌平区陽坊鎮四家荘村にある北京四聯液化気供給ステーション(ガス充填所)。作業員が誤って漏らしたガスの濃度が徐々に上がり、一定量に達してから静電気の火花が引火したと見られている。
ガス充填所の敷地面積は約1ヘクタールで、最大容量1トンの液化ガスタンク8基、建物2棟があった。
近くの住民によると、充填所から2、3秒おきに「バン!」、「バン!」という爆発音が連続して聞こえはじめたので、事故発生と分かった。近づいて見ると、「火の玉」が次々に飛び出してきた。一部は周辺民家の敷地内に落下し、「火の玉」の正体が、燃えるガスボンベと分かったという。
8時20分ごろには警察や消防、安全監督管理局職員、市行政関係者が到着。消火活動に着手すると同時に、危険地域から住民を避難させた。1時間後には、火の勢いは衰えたという。
充填所の建物2棟は爆発で倒壊。トラック1台とワゴン車1台が、「スクラップ同様」の姿になった。近くに住む女性によると、爆発音が響くたびに地面や家全体が震えた。子どもの手を引いて、数十メートル先の空き地まで全速力で逃げたが、家に戻ってみると壁に無数のひび割れができていた。住人の多くが家から逃げ出したという。
充填所の大型ガスタンクは爆発しなかった。作業員が逃げる際に元栓をすべて閉じたことが幸いしたという。住民は口々に「もし大型タンクが爆発したら、このあたりは全滅だった」と言った。
北京市の規則では、ガスタンクを住宅地や学校、工業区、映画館や体育館など人が密集する場所に設置することな認められていないが、爆発事故を起こした充填所は、民家と壁1枚でへだてられているだけだった。(編集担当:如月隼人)
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