四川省徳陽広漢市の金輪鎮馬嘶村の水田で12日ごろから、体調2-4センチメートルの見慣れない「虫」が大量に発生しはじめた。村人は気味悪がり、どのように対応してよいかも分からず、困惑した。
専門家は、2億年前からほとんど進化した形跡がない「生きた化石」であるカブトエビの1種との見方を示した。鳳凰網などが報じた。

 「怪虫」は、頭部が長円形をしており、細かな節に分かれた胴が続き、2本に分かれた長い尻尾がある。全体としては赤茶色。触手に見えるものや足がたくさんついている。

 異常なのは、その多さだ。水田の中で無数に繁殖してうごめいている。村人らは悩んだ。一番の心配は「稲に被害が出ないか」ということだった。「殺虫剤を使えばよい」との意見もあったが、「他の害虫を食べてくれるのかもしれない。薬を使うのは、害があることが分かってから」との結論になった。

 そこで「怪虫」を採取して、村で一番の高齢者、80歳を過ぎた周明老人の所に持っていった。
周老人も、「なんだろう。この歳になるまで、見たことがない」と、首を振るばかりだった。その他の村の「長老」も皆、知らないという。

 馬嘶村の「怪虫」は、インターネットに写真が掲載され、評判が広がった。「宇宙から来た」などと、あまり参考にならないコメントも多かったが「古い生物ではないか」などの指摘もあった。

 写真を見た四川農業大学動物科学院水産学科の厳太明主任は「カブトエビの1種であることは確かだ。それ以上の分類は、実物を観察しないと何ともいえない」と述べた。

 厳主任によると、カブトエビは約2億年前に発生し、それ以来、進化をほとんどしていない「生きた化石」とも言える存在だ。旱魃(かんばつ)などで、生息している湿地帯が何年も干上がっても、卵は生き残ることができるなど、強い生命力があるという。

 カブトエビが大発生した理由は分かっていない。(編集担当:如月隼人)

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