「怪虫」は、頭部が長円形をしており、細かな節に分かれた胴が続き、2本に分かれた長い尻尾がある。全体としては赤茶色。触手に見えるものや足がたくさんついている。
異常なのは、その多さだ。水田の中で無数に繁殖してうごめいている。村人らは悩んだ。一番の心配は「稲に被害が出ないか」ということだった。「殺虫剤を使えばよい」との意見もあったが、「他の害虫を食べてくれるのかもしれない。薬を使うのは、害があることが分かってから」との結論になった。
そこで「怪虫」を採取して、村で一番の高齢者、80歳を過ぎた周明老人の所に持っていった。
馬嘶村の「怪虫」は、インターネットに写真が掲載され、評判が広がった。「宇宙から来た」などと、あまり参考にならないコメントも多かったが「古い生物ではないか」などの指摘もあった。
写真を見た四川農業大学動物科学院水産学科の厳太明主任は「カブトエビの1種であることは確かだ。それ以上の分類は、実物を観察しないと何ともいえない」と述べた。
厳主任によると、カブトエビは約2億年前に発生し、それ以来、進化をほとんどしていない「生きた化石」とも言える存在だ。旱魃(かんばつ)などで、生息している湿地帯が何年も干上がっても、卵は生き残ることができるなど、強い生命力があるという。
カブトエビが大発生した理由は分かっていない。(編集担当:如月隼人)
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