職員は、納税の手続きにきた人を大勢の人がいる場で、口汚く罵りつづけた。動画は次々に転載され、非難のコメントが殺到した。最初に掲載されたサイトだけでアクセス数は30万を超え、コメントは約1万3000件に達した。
特に問題をされたのは、自分を納税者の「爺(イエ)」と何度も言ったことだった。「爺」は祖父、転じて年長者全般、さらに「主人」、「雇い主」などを意味する。
同税務局の公式サイトには、「職員の紀律」として「怠けない。納税者を叱責しない。納税者と言い争いをしない」など、納税者の立場で職務を遂行することが、掲げられていた。
暴言をはいた税務署職員の身元探しも始まった。いわゆる「人肉捜索」だ。
西安市国家税務局の関係者は取材に対して、問題の発端を「30分ほど順番待ちをしてもらった納税者の申告書類を調べたところ不備があった。書き直しを求めたが、再び順番を待ってもらうことになり、納税者側が不満を言い出した。そのために、口論になった」と説明した。
問題を起こした職員は勤務からはずし、ボーナスも1年停止処分にしたという。ただし、職位やこれまでの勤務態度、父親が高級官僚であることの事実確認については、回答しなかった。税務署内にある監視カメラの画像確認についても「カメラは当時、壊れていた。記録できていない」と拒絶した。(編集担当:如月隼人)
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